書斎に造作デスクを作る場合、パソコン、キーボード、モニターなど機器の配置を考慮した設計が必要になります。
寸法を気にせず作ってしまうと
なんてことにもなりかねません。
造作デスクはある意味一生モノなので、後悔がないようにじっくり考えて設計しましょう。
ここでは書斎に造作デスクを作る際、抑えておくべきポイントを実例を交えながら解説します。
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【実例】書斎造作デスクの寸法
造作デスク寸法(mm)
- 奥行:600
- 幅:1200
- 高さ:720(床から机上まで)
- 天板の厚さ:30
書斎の造作デスク寸法になります。
間取り(1.5畳)の約1/3は造作デスクに占拠されていますが大きめに作って正解でした。
関連記事≫【平屋書斎の実例】間取りアイデアで抑えておくべき5つのポイント
【書斎】造作デスクを1年使って感じたこと
書斎の造作デスクが完成し1年が経ちました。
実際に使ってみて「感じたこと」「こうすれば良かったこと」をまとめてみました。
造作デスクで感じたこと
- 奥行は「60~70cm」推奨
- 幅は「120㎝」以上欲しい
- 高さは身長と椅子の高さで決める
あくまでも個人的な感想なので参考程度までにしてください。
奥行は「60~70cm」推奨
机の奥行きは「60cm」もしくは「70cm」を推奨。
なぜなら、これより奥行きの寸法を短めに設計してしまうと
- モニターが近すぎる(サイズによる)
- キーボード、マウスが操作しづらい
- 資料が広げられない
など、作業効率の低下が懸念されます。
また、自分が理想とする作業環境が構築できず、モチベーションが下がってしまうことも。
我が家は奥行き「60cm」で27インチモニターを使っています。
モニター前のスペースはそれなりに広く、読み書きするには十分。
ただ、このサイズのモニターだと画面との距離が若干近く感じます。
奥行き「70cm」でも良かったかなと後悔しています。
あくまでも個人的な感想ですが、
- 25インチ以下:奥行き「60cm」
- 27インチ以上:奥行き「70cm」
を推奨します。
また、ウルトラワイドモニター、ディアルモニターの導入を考えている方は「70cm」以上は欲しいところです。
「ノートパソコンさえ使えればいい」という考えから奥行き「45㎝」で設計するのはやめたほうがいいです。
実際にネットで検索してみると、奥行き「45㎝」で作ってしまったがために後悔している方が多く見受けられました。
後悔ポイントとしては
- 何も考えずに設計して後悔
- ノートPCだけでは満足できず後悔
【何も考えずに設計して後悔】
寸法、配置など何も考えずに設計して後悔するパターン。
打合せで担当者から提案された寸法そのままで作ってしまったり、「このくらいあれば大丈夫でしょ」と適当に設計してしまうと、
「あれ、なんか狭くね?」「デスクトップ置けないじゃん」とあとになって後悔します。
造作デスクは作り直しが利きませんので、寸法だけは慎重に計画したほうが良いです。
ノードPCだけでは満足できず後悔
今後のことを何も考えずに設計して後悔するパターン。
家づくりの段階でノートパソコンしか使う予定がなくても、
書斎を持ってしまうと自分好みにカスタマイズしたくなってしまうもの。
これら機器を増設しようとしても、奥行き「45㎝」では狭すぎて設置が無理です。
仮に設置できたとしても、モニターが近すぎて作業どころではないでしょう。
ノートパソコンは持ち運びができるため、ダイニングテーブルやリビングテーブルでも作業自体は可能です。
ですから、書斎の机をあえて奥行「45㎝」で作る必要もありませんし、将来的にデスクトップパソコン、デュアルモニターなどを導入するかもしれません。
実際、奥行き「60㎝」にノートパソコン(15.9インチ)を置くとこんな感じす。
横から撮影しても分かるように後ろにも結構なゆとりがあります。
無駄なスペースと言われるとそれまでですが、
今後の事を考えたら書斎の造作デスクは奥行「60cm」もしくは「70cm」で作るべきです。
幅は最低でも120㎝~は欲しい
机の幅は最低でも120cm~は欲しいです。
もっと言えば広いに越したことはないです。
なぜなら、幅が広ければモニターサイズを自由に選べたり、さまざまな機器を置けたり、資料を広げたりとデスクの上を広々と使うことができるからです。
我が家は壁いっぱいの「120cm」で作ってもらいました。
27インチモニターを置く程度なら、机の上を広々使うことができます。
27インチモニターとプリンターを置くとピッタリ収まるくらいです。
こう考えると幅「120cm」あっても意外と狭く感じますよね。
ですから、ウルトラワイドモニターやデュアルモニター、プリンター、追加でノートパソコンなど置くとなると「120cm」では正直厳しいと思います。
将来的にこれら機器の増設を考えているなら幅「150cm」は欲しいところ。
人によって書斎の使い方は異なるため、一概には「何cm」必要とは言い切れません。
ですから、デスク上に置く予定の機器を書き出し、実際に寸法を測ってから幅を決めるのがベストです。
造作デスクは壁に固定して作られるため、幅も間取りによって必然的に決まってしまいます。
図面からもわかるように、我が家の造作デスクも壁いっぱいまで造り付けられています。
ですから、造作デスクの幅を広く取りたい場合は、必要とする幅に合わせた間取りを設計する必要があります。
家全体のバランスもあるため難しい問題ですが、家族や営業担当者、設計士と間取りについてよく話し合うことが重要です。
「妻に書斎を狭くしろと言われている」「書斎は狭いほうが理想的」なんて方は、我が家の1.5畳書斎を参考にしてみてください。
関連記事【レイアウト公開】書斎「1.5畳」は狭い?実際に使ってみた分かったこと
高さは身長や椅子の高さで決める
適切な机の高さは身長や椅子の高さによって決まります。
ですから、人によって理想的な机の高さは異なり、計算式によって求めることができます。
※「椅子の高さ」とは床から座面までの垂直方向の距離
身長(cm) | 椅子の高さ(cm) | 机の高さ(cm) |
---|---|---|
150 | 38 | 63 |
151 | 38 | 63 |
152 | 38 | 63 |
153 | 38 | 64 |
154 | 39 | 64 |
155 | 39 | 65 |
156 | 39 | 65 |
157 | 39 | 65 |
158 | 40 | 66 |
159 | 40 | 66 |
160 | 40 | 67 |
161 | 40 | 67 |
162 | 41 | 68 |
163 | 41 | 68 |
164 | 41 | 68 |
165 | 41 | 69 |
166 | 42 | 69 |
167 | 42 | 70 |
168 | 42 | 70 |
169 | 42 | 70 |
170 | 43 | 71 |
171 | 43 | 71 |
172 | 43 | 72 |
173 | 43 | 72 |
174 | 44 | 73 |
175 | 44 | 73 |
176 | 44 | 73 |
177 | 44 | 74 |
178 | 45 | 74 |
179 | 45 | 75 |
180 | 45 | 75 |
181 | 45 | 75 |
182 | 46 | 76 |
183 | 46 | 76 |
184 | 46 | 77 |
185 | 46 | 77 |
186 | 47 | 78 |
187 | 47 | 78 |
188 | 47 | 78 |
189 | 47 | 79 |
190 | 48 | 79 |
例えば、私の場合だと身長161cmなので
身長161cmの場合
- 机の高さ:67cm
- 椅子の高さ:40cm
この数値が適切な高さということになります。
実際に造作してもらった机の高さは「72cm」。
先ほどのリストよりも「5㎝」ほど高い数値です。
机の高さに関してはあまり深く考えておらず、「一般的な高さでお願いします」と伝えただけ。
率直な感想としては「ちょっと高いかも」と思う程度で、少し椅子で調整するだけでしっくりする位置にできました。
計算式によって導き出された数値は目安にすぎず、実際にしっくりする位置は人それぞれだと思います。
そもそも、机の高さは「70~72㎝」が一般的と言われており、市販されている机、オフィスの机もこの高さを基準として作られています。
造作してもらった机もこの基準値を参考にしているため、違和感もありませんでしたし、とくに作業がしずらいという感じもしませんでした。
あなたが今、仕事場や自宅で使っている机を基準にするのも考えのひとつ。
普段から使っていれば、「低い」「高い」を判断しやすいですし、椅子もしっくりする位置にしているはずです。
実際に測ったり、シミュレーションすれば、高さの目安も見えてくるはずです。
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造作デスクの注意点
書斎に造作デスクを作る際、事前に知っておくべきこと、注意すべきことについて解説します。
注意
- 配線用の穴について
- モニターアームについて
- 昇降デスクという選択肢も
配線用の穴について
造作デスクに配線用の穴を開ける際は、
「機器をどこに置いて、どのようにコードを這わせるか」
を明確にしておきましょう。
配線用の穴については2つ考え方があります。
- 何ヵ所か穴を開けてコードを隠したい
- なるべく穴を開けずにコードを隠したい
穴を開けることに抵抗がないのであれば、迷わず「左」「真ん中」「右」のうち2~3ヵ所に開ければよいと思います。
2~3ヵ所開けておけば、機器をどこに置いても一番近い穴へコードを通すことができるからです。
例えば穴を左にしか開けなかった場合、プリンターを右に置いてしまうと机の上をコードが這ってしまいます。
「右」「左」の両サイドへ穴を開けておけば、どちらにプリンターを置いたとしてもコードを隠すことができます。
なるべくコードを目立たせたくないのであれば、「左」「真ん中」「右」のうち2~3ヵ所に穴を開けるというのも選択肢のひとつです。
ただ、人によってはむやみに穴を開けたくないという方いるはず。
私もどちらかと言えばこの考え。
その場合は「配線をどのように這わせるか」よくシミュレーションして「左」「真ん中」「右」のうち1ヵ所に開ければよいと思います。
右の1ヵ所に配線用の穴を開けてもらいました。
左にはコンセントがあるので、わざわざ配線用の穴を開ける必要もないので結果的にこの位置になりました。
ですが、
今思えばこの位置に開けたことを後悔しています。
画像からも分かるように配線が目立ってしまうからです。
基本的にモニターは真ん中に置くと思いますが、両サイドへ穴を開けてしまうとコードが露出してしまいます。
コードが露出しているとやはり気になります。
こんな感じで真ん中へ穴(スリット)を開けてもらえばよかったです。
ここならモニターのコードも隠せますし、デザインも自然な感じにできると思ったからです。
仮に両サイドへ機器を置いたとしてもここへコードを集約できます。
いずれにしろ、1ヵ所だけ穴を開ける場合は、機器をどこへ置いてコードをどのように這わせるか計画してください。
穴のサイズはコードの本数によって決めるのが無難。
我が家の穴のサイズは直径「4㎝」になります。
コード4本くらいなら通せますが、本数が多いとコンセントの先端が入らなくなるので要注意です。
ちなみにコード2本通して、コンセント先端がすっぽり入るくらい。
配線孔キャップをつけたい方もいるかと思いますが、サイズも種類もさまざま。
一度で検索して「デザイン」「寸法」を確認してみるのもよいかもしれません。
モニターアームについて
造作デスクに穴が開いていれば製品によってはモニターアームを付けることは可能です。
モニターアームの固定方法は2つ。
- クランプ式:天板を挟み込む
- グロメット式:穴を利用して挟み込む
このうちグロメット式ならモニターアームを付けられます。
グロメット式は机に穴を開けたり、配線孔を利用して挟み込むタイプのモニターアーム。
注意点としては穴が壁面に近すぎると、金具が壁に干渉して付けられない可能性があります。
また、穴の径や天板の厚さにも条件があります。
モニターアーム導入を検討中の方は、製品の仕様を確認しておくことをおすすめします。
私もいつかモニターアームの導入を検討しているので、そのときは記事にして紹介したいと思います。
縮んで隙間ができる
施工会社に予め説明されたのが「木が縮んで机と壁の間に隙間ができます」という内容。
要は、時間の経過に伴って木材が縮み、固定されている机と壁の間に隙間ができてしまう現象です。
実際、打合せをした事務所にあった造作カウンターを見せてくれましたが、1~2ミリ程度の隙間が空いているがわかりました。
これは気になる方には気になる。
打合せの段階で釘を刺されるように言われましたが、1年点検の際にパテか何かで修正してくれるとのこと。
いずれにしろ、造作デスクにはこうしたリスクがあることも把握しておきましょう。
造作デスクをあえて作らない選択肢も
書斎に造作デスクをあえて作らないという選択肢もあります。
造作デスクは寸法など自由度が高い設計が可能です。
ですが、一度造り付けられてしまうと造り直しがききませんし、デザインも天板1枚とシンプルなもの。
また、実際に住んで使ってみないことには分からないこともあり、やっぱりこうすれば良かったと後悔も少なからず出てきます。
その点、市販されている机は寸法やデザインが選べますし、配置換えなども可能です。
また、電動昇降デスクなる最近人気な机も販売されています。
あくまでも選択肢の一つとして、書斎に造作デスクをあえて作らないことも考えてみて下さい。